ブロガーズ・ラウンジ様からご招待頂き、来年2月公開予定の映画『
余命』の試写会に行って来ました。
今まで行った試写会の中で一番先取りの試写会かも。
とは言え、
東京国際映画祭への出品作品なので、すでに観た人も多そう。

この映画は
谷村志穂さんの同名小説を映画化した作品。
待望の妊娠と同時に乳がんが再発した女性医師。
治療をし生を勝ち取るには、子供は諦めなくてはならない。
でも治療を諦めれば、自分の生と引き換えに赤ちゃんを産む事が出来、命を託す事が出来る。
どちらを選ぶか、余命を決めるのは自分。
そんな物語。
アタシはすぐに感情移入をしてしまうので、割と早い段階から泣きまくり。
自分の弱い部分、憧れる部分、そういった箇所がいくつかあって、号泣に近いぐらい泣いた。
この夫婦のお互いを信じる思いが素敵だった。
「いやいや、勝手過ぎるだろ」と軽くイライラするぐらい、どっちも勝手なのに、お互いがお互いのその勝手な思いに応えられるんだ。
傍からすればダメ夫婦かもしれない。
けれど、二人がそれで成り立っているのであれば、それでいいんだと思った。
周りが迷惑だと思っているのならいけないけれど、そうでないのなら、それでいいんだ。
周りがほおっておかないのは、迷惑だって思ってないからなんだ。
血の繋がりのない二人の血が混じり合って生まれる子供。
そういった夫婦の繋がりと、そういった親子の繋がりというものを深く感じさせてくれた映画だった。
学校での作文のシーンでは、寂しくて温かい涙が流れたよ。
アタシはまだ、夢見る少女から抜け出せていないのかもしれない。
けれど、自分の生きた証、二人の愛した証。
子供ってやっぱりそういう存在でもあるんだって思った。
アタシはそういう思いで、子供を産みたい。
そういう思いで、この生を大切にしたい。
両親に、「産んでくれてありがとう」と伝えたくなるお話です。
そして限りある命をどう受け止めるのか、長生き出来ればいいのか、そうでないか。
いつか自分の身に起こるかもしれないもしもを考えさせてくれるお話でもあった。
もしも、アタシが滴の立場になったら。
もしも、アタシの周りに滴のような状況に置かれた人がいたら。
想像は想像の域を超えてはくれないと知っているけれど、きっとそれは無駄ではないはず。

松雪泰子さんのくたびれた感、椎名桔平さんの情けない感が見事だった。
役者さんの役作りってすごいなぁ。
自分の良い部分を引き出そうと人は努力するものなのに、自分の中からダメな部分を引き出すことさえ出来てしまうんだ。
そして、この人今幸せなんだと思うシーンでは、きちんと美しい輝きを放っていた。
久しぶりに観た市川実和子ちゃんも素敵だったな。
力を抜けさせてくれる柔らかな雰囲気なのに、芯の強さを感じさせるところが素晴らしかった。
南国っぽい顔立ちも、役どころにピッタリ。

ただ1つ気になったのは、この映画がピンクリボン運動の精神に賛同しているという点。
乳がんが題材になっているからと言ってこの物語で?早期発見・治療を訴える運動なのに?と。
けれども、「乳がんだから子供は諦めて治療をしなさい」というのは確かに違うと思う。
その時どうするかを決めるのは自分自身。
だからピンクリボンのマーク、貼っていてもおかしくないのかもしれない。
早期発見をすべき題材なのに変わりはないのだから。
ブロガーズ・ラウンジ様、ご招待ありがとうございました☆
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